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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生17巻3号

1955年03月発行

文献概要

特集 慢性疾患の疫學

老人病について

著者: 渡辺定1

所属機関: 1厚生省統計調査部

ページ範囲:P.28 - P.33

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 人生の最終の目標は,最長の寿命,最強の健康最大の活動力の下に意義ある一生を終えることにあろう。近年,人間の寿命は世界各国民とも著しくのびた,殊に日本人は戦後著しい寿命の延長を示したことは周知のことである。30年前なら100人生れて60才には40人前後しか生きのこる確率がなかつたのに,最近は70人前後生きのこる確率となつた,急性伝染病死は減じて慢性疾患がまして来た。しかも日本は出生の急減で将来老人層の人口中に相対約多数になる状況にある。
 従来,生物学者も医学者も生物の発育成熟及び老化は当然のことと考え余り深入りをした研究に乏しかつたが最近は著しく関心を持たれて来た。老人病への関心もその表われの一つである。今回も本誌編集同人から老人病について何か書くようにとの註文があつた,しかし老人病と云つても老年だけ特別に来る確然たる病気はない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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