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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生17巻4号

1955年04月発行

文献概要

特集 医療制度とその盲点(Ⅱ)

医療費と個人及び国家経済

著者: 末高信1

所属機関: 1早稻田大学

ページ範囲:P.1 - P.7

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〔1〕
 病気は人間の宿命である。いかに日常健康を自慢にしている人でも,時あつて病気になる。そしてこの病気は,病気として苦痛であるばかりでなく,それは生命に対する脅威である。人間は生物として生命の持続について本能としての執着をもち,従つて生命そのものを脅かすところの病気からはなれ,かつ病気そのものから来る痛みや苦しみから脱がれたいと願うわけである。
 このように病気を克服し,その苦痛からのがれるための人間の努力は,広義に解釈された医療である。この医療は,人類発達の初期から,いろいろの形で行われて来たもので,すりむきの疵につばを付けたり,やけどの疵に油を塗つたりしたと同時に,まじないやお祈りなどが行われたことは,改めて説くまでもない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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