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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生17巻4号

1955年04月発行

文献概要

特集 医療制度とその盲点(Ⅱ)

迷信・新興宗教と醫療

著者: 若月俊一1

所属機関: 1佐久病院

ページ範囲:P.47 - P.56

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 この頃の文部省の調査によると,「病気の時医者にかかつたり,藥をのんだりしないで,神さまや仏さまにお祈りし,または,まじないなどをしますか。」という問に対して,全国の学生の百人中十七人までが,もつぱら神仏や,まじないに,たよつているという答が出た。また「病気になつたとき,医者にかからないで,民間療法にたよりますか。」という問に対しては,約50%がイエスと答えた。
 迷信的な治療は,まだ多くはびこつている。ことに,私どものいる農村山間部においては,まだまだ多くのおまじないやお祈りや民間療法的なものが,そしてまた,最近は新興宗教が,病気の治療に使われている。なぜこのような非科学的なものが,今もなお,私たちの前にのさばつているのだろうか。それは,今もなお,無知と因習と古代的な精神が--そして,なりよりも,それらの原因である経済的貧困が国民の生活の中に,横たわつているからであろう。然し,一方また,私たちの,「科学的」と称する医学のありかたに,なにか根本的なけつかんがあるからではなかろうか。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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