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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生17巻5号

1955年05月発行

文献概要

特集 水道問題の展望

水道と伝染病

著者: 尾崎嘉篤1

所属機関: 1厚生省公衆衛生局防疫課

ページ範囲:P.33 - P.40

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緒言
 近時,水道による赤痢その他の伝染病の流行事例が極めて多い。昨年10月,東京で開催された日本公衆衞生学会に於ても,水道による赤痢の爆発流行例が連続して5例も報告せられ,注目を浴びたがいずれもその原因は,水道の運営管理の拙劣さによるものであつた。しかもその運営管理の無茶さ加減は,常識では考えられないようなものが多く,遂に小島衞研副所長が「かかる報告は,公衆衛生以前の問題である。来年からは,本学会ではこうした事例が一つも報告されないよう,至急に事態の改善を望む。若し,同様な報告がなおなされる必要があるならば,それは犯罪学会に於てでもなされたい。」と発言したほどであつた。
 伝染病を撲滅すべき使命を担い,現在その普及に多大のエネルギーと資金が充当されている水道によつて,反面,何百人何千人という大量の犠牲者を出しているということは,誠におそるべき皮肉であり,直ちに断乎たる補正手段を講じなければならぬものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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