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肺結核内科的治療の進歩—「結核治療指針」の今日の役割について
著者: 砂原茂一1
所属機関: 1東京療養所
ページ範囲:P.1 - P.10
文献購入ページに移動本誌の性質上結核予防法の「治療指針」特に審議会の状況を頭に置いてこの課題に答えて見よう。
「進歩」というからには現在と過去のある時点との比較を意味することになるが半世紀前と比較することも出きるし10年前--第二次大戦の前後を対比することも意味深いだろう。しかし我が国では結核予防法によつて一応の診療の水準化が行われているのであるから,これを既定の事実とみなしこの指針を乗りこえはみ出したところを進歩とみなすのが,実際的であるように思われる。もつとも指針が改正されてからまだ1年にもならないのであるからその後の真の進歩と単なる見解の相違とを区別することは困難だが,学問に関するかぎり,権威が確立されたその瞬間から批判され否定さるべき当然の運命をもつものと覚悟すべきであろう。とにかくここでは現行の指針以後にいくらかの進歩があつたかどうかを考えて見ることにする。
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