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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生18巻1号

1955年07月発行

文献概要

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屋内空気の汚染

著者: 斎藤功1

所属機関: 1東京都立衞生研究所

ページ範囲:P.26 - P.35

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1.まえがき
 屋内空気の汚染ということをここでは広く一般的に解釈して,屋内空気の衞生的不良化という意味に解釈することを初めにことわつておく。
 一般屋内空気の汚染の問題は,古くして且つ新しい問題である。空気は地球を囲繞し我々の身辺にあまねく存在し,生物の生存に瞬時も欠くことのできないものであるから,空気の汚染が人類の健康に重大な影響を持つべきことが,古代から考えられたのは当然である。しかしながら屋内空気汚染の衞生学的研究は凡そ前世紀後半のPettenkofer以来のものと観てよいであろう。その後現世紀に入つてからは,L. Hillのカタ寒暖計,V. Hill-Shepherdの快適図表,C. P. Yaglou and W. E. Millerの感覚温度図表等の登場や,他方,塵埃,炭酸ガス,空中細菌,紫外線,輻射熱,照度,騒音其他の測定術式の多数の案出,改良等があつて,環境衞生学が著しく進歩したことは他の科学同様であるが,問題を屋内空気の汚染ということにしぼつてみると,これは特に我が国では従来比較的閑却されていた部門であつて,近時漸く次第に一般の関心を集めるようになつた公衆衞生の一部門であると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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