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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生18巻1号

1955年07月発行

文献概要

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都市騒音の問題

著者: 佐藤孝二1

所属機関: 1東京大学(理工学研究所)

ページ範囲:P.43 - P.46

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 終戦後進駐軍の駐在と共に外人の往来が頻繁になるに従い我国の都市の騒音の強烈さが外人間に問題化して来る一方邦人の海外旅行者のすべてが欧米諸国の都市に騒音の無いのに驚き,内外の輿論は当局者に都市の騒音対策を真剣に取り上げる動機を与えた。これより先,日本音響学会は昭和26年に騒音対策委員会を学会内につくり,都市騒音の防止対策に乗り出す準備をすすめていたが翌27年には東京都に騒音対策協議会が発足し,28年には都知事を会長とする騒音対策委員会ができて東京都の騒音対策は本格的に軌道に乗り,学会が中心となつて大規模な東京都の騒音の実体調査が行われ,それを基にして昨年2月東京都は騒音防止条例を出して騒音の取締に乗り出した訳で,其後地方の各都市でも之にならい次々に条例を施行して都市騒音の低減に努めつつあることはまことに喜ばしいことである。
 一昨年6月筆者は国際音響学会議に出席の序に東京都の依嘱で欧米各国の騒音対策の状況を視察して来たがさすがに30年の歴史をもつだけに何処も建築物の構造から配置に至るまで騒音防止の配慮が行き届いているのに驚いたのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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