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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生18巻2号

1955年08月発行

文献概要

研究報告

山梨県下鉤虫分布の地域差について—特に北富士山麓地区との比較

著者: 志村至厚1

所属機関: 1館山航空隊医務室

ページ範囲:P.55 - P.60

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I.前言
 日本人に於ける寄生虫寄生率は恥しい事ながら世界の文明国に比し著しく高率を示していると言われている。殊に戦時中食糧不足のため,自家農園,駆虫剤の不足により蛔虫並びに十二指腸虫寄生率が非常に増加し国民保健上大問題となつている。その防遏予防には根本的,積極的な公衆衞生上の施策が必要である事は勿論であるが他面虫卵が成熟する糞便と共に排出された卵が細胞分裂を行い卵殻内に仔虫を完成するためには外界の諸条件が卵の発育成熟に好適なものでなければならない。
 一般に気温が高く充分な湿度をもつた環境に於いて虫卵はよく発育する従つて人への感染頻度も気温,湿度,降雨の頻度等の自然現象によつて強く左右される。この様な気象要素をも考慮されなければならない。又それらの気象要素と地勢,地域,環境等から比較し考察する事もあながち無駄でないと考えたので,山梨県下鉤虫分布状態,浸淫度を気象要素を指標として自然環境,農業関係等を参考として統計的に観察を試みた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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