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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生18巻5号

1955年11月発行

特集 生活改善運動の課題

実践報告・生活改善運動とともに歩んで

受胎調節指導の実際

著者: 丹下坂宇良12

所属機関: 1日本受胎調節指導所 2家庭生活研究会

ページ範囲:P.29 - P.43

文献概要

I.私の発意の動機
 私が受胎調節指導を思い立ちました第一は日本の母親はもつと幸福に暮すことが出来ないものかと言うことと,戦争によって起るいろいろの悲劇(戦犯,不具者,未亡人,遺兒)を此の世の中から無くすると言うことは出来ないものかと考え初めたことが発意の源をなすものでありました。敗戦によつて受けたいろいろの苦しみの体験が斯様に考えざるを得ない処まで追いつめられたのであります。それには先ず各々の家庭の主婦達が,それぞれ其の財力と体力に応じた家族計画から出発した生活に改善することによつてなごやかな家を営むことも可能であり,家庭から争をなくすることも出来るし,それによつて平和な村や町が築かれ,それこそ真の平和国家建設であると思いましたのであります。
 第二は昭和26年8月講和会議の際に各国に訴えるものとして吉田前首相の携帯せられたものに,人口白書と言うものがあることを三大新聞に発表せられました。其内容は輸出の振興,移民,産兒制限の徹底と言う三項目でありました。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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