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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生18巻6号

1955年12月発行

文献概要

特集 公衆衞生と経済

労働災害の経済的損失について

著者: 加藤新1

所属機関: 1労働省労災補償課

ページ範囲:P.42 - P.44

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はじめに
 わが国において労働によつておこる災害--業務上の負傷,疾病,癈疾,又は死亡の実数は正確にはわからないが,例えば労働基準法の適用事業場からの報告に基いた統計によれば,昭和29年中に全産業(鉱業を除く)で死亡した者は4,637名,休業8日以上の負傷者は290,596名で,業務上の疾病にかかつた者は(鉱業を含む)20,295名であり,また労災保険の補償費給付の対象となつた災害者数は,昭和29年度(昭和29年4月〜昭和30年3月)中,全産業で576,628名となつている。しかも,これらの統計に含まれない災害者を考え合せると,わが国においては毎年60万人以上の人が労働災害によつて負傷したり,疾病にかかつたり,死亡したりしているということになろう。そして,この数字は昭和12年から16年までの日華事変の戦死傷者51万余名をはるかに越え,また,大平洋戦争の戦死傷者186万余名の1年平均53万余名をも越えるという驚くべき数字である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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