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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生19巻2号

1956年02月発行

文献概要

特集 最新の予防接種 総論

ウイルス病ワクチンの展望

著者: 福見秀雄1

所属機関: 1国立予防衛生研究所細菌部

ページ範囲:P.8 - P.14

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 ウイルス病ワクチンの最近の問題点を全般に恒つて展望することは一人の人間が僅少な準備期間に於てなすことは甚だ困難なことであり亦私自身も日頃この問題全般について,特に関心を示していたわけではないので,これについて充分文献的考察乃至実験的研究を行つていないし,茲では特にこの問題の中で,私の日頃の興味と直接つながつている所のみを拾つて,展望とまではゆかないであろうが若干の考察を試みたいと思う。
 ウイルス病ワクチンに関する最近の最も大きな話題の一つは昨年の4月にFrancis(1)(2)を委員長としたポリオ・ワクチン所謂ソーク・ワクチンの野外実験による効果判定の結果の発表であつたであろう。しかもそれをきつかけにしてポリオ・ワクチンに関する研究と論議とが甚だ活溌に展開されたが,その機会にはからずもウイルス病ワクチンとしての活ウイルス・ワクチン(live-virus vaccine)か不活ウイルス・ワクチン(killedvirus vaccine)かという古い問題が論議の一焦点として再び脚光を浴びた。一体ウイルス病ワクチンはCox(3)がその活ウイルス・ワクチンに関する美事な綜説で詳細に紹介している様に,まずJennerとPasteurの痘瘡あるいは狂犬病に対する活ウイルス・ワクチンに源を発していて,ジフテリア・破傷風の毒素免疫に対してウイルス病の免疫には活ウイルスを用いることが一つの行き方となつていた観がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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