icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生19巻4号

1956年04月発行

文献概要

特集 學校保健衛生(2)

学校保健と公衆衛生

著者: 宮坂忠夫12

所属機関: 1厚生省公衆衛生局保健所課 2東京大学教育学部

ページ範囲:P.13 - P.17

文献購入ページに移動
〔I〕
 「発疹チフスはしらみから」というスローガンが巾を利かせていた数年前,まだ占領下にあつた時代のことですが,こんなしらみ議論がまじめに行われたことがありました。
 この間進駐軍の人が学校に来て,たまたま子どもの頭にしらみをみつけたので大さわぎになつた。おかげで,こんな非衞生では,と大目玉を頂戴し,しらみがいるとどんな病気になるかなどと試験をされたあげく,数日中にまた来るから,それまでに全部しらみ退治をしておけ,と云つて帰つて行つた。そこでやつとのことでDDTをさがし,子どもの頭にまいて退治したのはよかつたが,一時居なくなると思うとまた出て来てキリがないよくよく考えてみると,これは子どもの家庭にしらみがいるからで,これではいくらたつても退治できる筈がない,保健所がしつかりしてないから学校まで迷惑する。このようなことが学校の方から云われました。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら