icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生19巻5号

1956年05月発行

文献概要

綜説

ポリオワクチンのその後

著者: 甲野礼作1

所属機関: 1国立公衆衛生院衛生微生物学部

ページ範囲:P.7 - P.13

文献購入ページに移動
まえがき
 1954年に参加人員百万人以上に及ぶ大規模な野外実験が行われ,急性灰白髄炎(以下ポリオと略す)に対するソークワクチンの予防効果が確認された旨,公式の発表が行われたのは昨年の4月14日のことであつた。従来医学上の発表でこれ程世界的なセンセーシヨンをひき起した事件はないと言われる。アメリカにおいては1954年度の成績に基いて1955年度は更に大規模な予防接種が行われ,一方ソークワクチンを希望する外国に対しては,これを配布する用意がある旨のアイゼンハウアー大統領の発表が行われた,
 しかるに,その発表から僅か1月も経たぬうちに,ソークワクチンの接種をうけた子供の間から,ワクチンに起因すると思われるポリオが発生し,一種のパニツクを現出したのは,最初の発表が華々しかつただけにアメリカ人は勿論われわれ外国人の関心をもいやが上にも高めずにはおかなかつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら