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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生19巻5号

1956年05月発行

文献概要

綜説

黄変米はどうなつたか

著者: 遠山祐三1

所属機関: 1国立予防衛生研究所

ページ範囲:P.21 - P.24

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まえがき
 米に寄生する黴の漸く問題となり,黄変米なる名称ができて研究が緒についたのは昭和12年来のことである。当時東京農大の三宅市郎教授が台湾総督府から黄変米につき研究の依頼があり,内藤,角田氏等と研究の結果変色した米に青黴属のP. toxicarium Miyakeを発見命名した。この毒性について東大医学部柿沼,小林両教授に研究を依頼し浦口,平田氏等によつて研究は着々進められた。即ち浦口博士は昭和17年に有毒成分の薬理学的研究,同22年には動物に対し急性毒であることと,その微量を長期連続動物に与うるときは貧血,神経,肝臓障害を起す慢性変化等多数の研究を報告している。然し乍ら,昨今黄変米又は病変米と呼ばれ国民の注目をひいているのは終戦後輸入外米に角田博士により昭和23年10月エジプト米から発見され肝硬変を起こすP. islandicum Soppと昭和27年2月泰国からの輸入米に発見され,腎臓障害を起すP. citrinumThomと呼ばれる黄色系色素を産生の菌とである。これ等各種の黄変米菌の各種性状,毒性その他学問的データについては紙数の関係上これを後日の機会に譲り,茲には主として自然黄変米給与人体実験及び猿使用の人工黄変米給与による長期飼育成績と食品衞生調査会黄変米特別部会の活動の概略を記することとする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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