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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生19巻5号

1956年05月発行

文献概要

研究報告

日本腦炎ウイルスに及ぼす塩素消毒の影響

著者: 時任直人1

所属機関: 1国立予防衛生研究所リケツチアウイルス部

ページ範囲:P.49 - P.55

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まえがき
 塩素消毒によるウイルスの不活化実驗に関しては,Lensen等1)2)3),Ridenour等4)の急性灰白髄炎ウイルスについて,又Neefe等5)の流行性肝炎ウイルスについての報告がある。Lensenは粗製急性灰白髄炎ウイルスを用いると,それに含まれる蛋白貭が要求する塩素量が,ウイルス不活化に要するそれよりもはるかに多いため,不活化に有効な塩素量を論ずることは不可能であるとし,半精製ウイルスについて実験している。日本脳炎ウイルスについて塩素消毒の実験はまだ報告されていない。しかし,日本脳炎ウイルスは蚊によつて伝播されるとは云え,患者の口腔液,或いは尿糞便内にも排泄されることが知られ,また濃厚ウイルスを猿に実験的に経口的に与えるとウイルス血症等を起すことが明らかにされて来た今日において,自然界に排泄撤布されるウイルスを消毒することは防疫上必要なことである。ことに飲料水がウイルスによつて汚染された場合,どの濃度の塩素量によつてウイルスが不活化されるかが問題である。ここに水道水浄化に用いる塩素量が日本脳炎ウイルスを不活化するに足るか否かについて実験を行つた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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