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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生19巻6号

1956年06月発行

文献概要

特集 原子力と公衆衛生 綜説

空気汚染について

著者: 江藤秀雄1

所属機関: 1東大

ページ範囲:P.15 - P.16

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 放射性物質による所謂空気汚染はその規模の大小は別として従来もしばしば問題とされた。然し以前は空気汚染による危険は専らラジウムを取扱う例えば夜光塗料工場や,ウラン鉱山などが対象となつたにすぎない。勿論この場合の原因はラジウムの崩壊によつて生ずるラドンが気体であるため,これが四囲の空気中に発散し,更にまた崩壊により固体の放射性元素が生じて微細な埃状となり空気中に浮游するということにあつた。
 今日ではだいぶ事情が違つてきた。ラジオアイツトープの利用がますます盛んになるにつれて,これを取扱う職場或いは研究室内においては勿論のこと,近く原子炉が設置されるようになれば直接そこに勤務しない人々にとつて全く無関係であるというわけにはいかない。まして原水爆の実験による影響や原子炉の万一の破壊という非常時態の場合にはその害が広く公衆に及ぼすものと考えなければならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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