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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生19巻6号

1956年06月発行

文献概要

研究報告

ピペラジンハイドレイトによる蟯虫集団驅虫成績

著者: 前田嘉右ェ門1 多田哲夫1 小原寧1

所属機関: 1福井県衛生研究所

ページ範囲:P.51 - P.51

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1.緒出
 戦後寄生虫保有者の増加が叫ばれ,特に蛔虫に就いては,児童の虫卵検査予防駆除の徹底化,公衆衛生知識の向上等から,保有率は低下しつつあるにも拘らず,蟯虫症に就いては,検査方法の不適当と症状の軽微な為,医師並びに一般の認識が低く,軽視又は看過されがちであつた。
 近年セロファンサーブ法及びスコツチテープ法が蟯虫卵検査法として普及されるに従つて,蟯虫浸淫率は意外に高率である事が判明し,殆んど100パーセント寄生していると云う説さえある。当所に於ける福井県内児童のスコツチテープ法による1回検査の成績でも,最高84%の寄生率を得ている。我々が実際に蟯虫卵を検査するに当つて常に痛感するのは,特効薬に欠ける為,多数の陽性者に適当な治療法を指導出来ない事である。今回エーザイ株式会社のピペニン(ピペラジンハイドレイト)に依る児童の蟯虫集団駆除実験を行う機会を得て,副作用を全く認めず優秀な駆虫効果を認めたので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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