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論説
平均壽命の延長
著者: 野邊地慶三
所属機関:
ページ範囲:P.242 - P.243
文献購入ページに移動1850〜1900年の50年間,即ち上述の米國の公衆衞生活動史の前半期に於て,其の中心舞臺であつたMassachusetts州民の平均壽命は男子は7,8歳,女子は8,9歳の延長を示して居る。又1900〜1939年の期間,即ち上述の歴史の後半期の當初40年間に米國の屆出制度施行前全部に於て15年の平均壽命の延長が見られた。そして昨1946年には米國民の平均壽命は實に65歳に達し,1850年當時の平均壽命に比し,又我國の最近の平均壽命に比し約20年の差があることが觀取されるのである。平均壽命は公衆衞生の成果を示す綜合的な示標であるので,此の約20年の平均壽命の延長こそは,米國の公衆衞生運動100年の里程標たるべき好箇の金字塔として鑽仰すべきものである。
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