文献詳細
研究及資料
文献概要
緒言
本報告は昭和16年,17年夏に余等東大小兒科教室員が,栗山教授の指導の下に,全國の5無醫村に於て乳幼兒檢診を行つた成績を主とし,更に又昭和13年に教室員早川,淺野,松村の調査した一無醫村の成績を加へてまとめたものである。本報告に於て明かにされた無醫村に於ける乳幼兒保健の無指導状態は,當時も現在もただに無醫村のみならず,廣く農村に漁村に認められてゐるものであり,又都市とも關連なしといへぬものである。更に又,乳兒榮養失調症は戰中戰後の乳児食糧難のために,現在益々廣く益々甚しく認められてゐる。余等が,戰爭下の出版事情のために發表が遅れ,やや古びた感のある本報告を,敢て發表するのはこの故である。
本報告は昭和16年,17年夏に余等東大小兒科教室員が,栗山教授の指導の下に,全國の5無醫村に於て乳幼兒檢診を行つた成績を主とし,更に又昭和13年に教室員早川,淺野,松村の調査した一無醫村の成績を加へてまとめたものである。本報告に於て明かにされた無醫村に於ける乳幼兒保健の無指導状態は,當時も現在もただに無醫村のみならず,廣く農村に漁村に認められてゐるものであり,又都市とも關連なしといへぬものである。更に又,乳兒榮養失調症は戰中戰後の乳児食糧難のために,現在益々廣く益々甚しく認められてゐる。余等が,戰爭下の出版事情のために發表が遅れ,やや古びた感のある本報告を,敢て發表するのはこの故である。
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