icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生2巻5号

1947年10月発行

研究及資料

乳幼兒死亡の概況(承前)

著者: 瀨木三雄1

所属機関: 1厚生省兒童局母子課

ページ範囲:P.252 - P.259

文献概要

5.乳幼兒死亡原因總括と死因の檢討
 第3圖は昭和18年の0-5歳各年齢層に付,主要死因を示したものである。乳兒死亡の3大原因は先天性弱質,肺炎,下痢及腸炎であるは人の知る通りである。しかし乍ら此處に注意を要するのは先天性弱質の死亡に包含されてゐるものは,先來我國の統計作成上次の診斷名を含むといふ事實である。即ち先天性弱質,發育不全,軆質不完全,軆質薄弱,小兒萎縮,榮養不良,生活薄弱,榮養障碍,榮養消耗等が包含される。この中明かに後天的理由に基く榮養障碍等が包含されてゐる事に就ては今後の檢討を必要とするであらう。更に早産と先天性弱質との差は事實上明かなるものなく,先天性弱質の大部分乃至相當部分が早産である事は疑ひないが,我國では早産は甚だ尠い。(英國等では先天性弱質は尠く早産が多い。最新の統計作成方法によると我國にも早産として表示されるものが非常に多くなる筈である)。
 下痢及び腸炎(2歳未満)の中には下痢,乳糜痢,青便下痢,腸カタル,腸炎,腸消化不良,消化不良,1歳以上の榮養不良,榮養障碍,小兒萎縮等が包含される。即ち榮養障碍は乳兒に於ては先天性弱質に,1歳兒に於ては下痢及腸炎に算えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら