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特集 最近の医学の話題
癌の診断及び治療
著者: 太田邦夫12
所属機関: 1東京医科歯科大学 2癌研究所病理部
ページ範囲:P.4 - P.5
文献購入ページに移動1954年の日本に於ける癌死亡は,全死亡の30.4%に昇つた。約50年前の1900年では2.2%であり,全死因中の地位も,1920年の第11位から,1953年,54年の第2位に進出している。人口100,000当りの癌死亡は1900〜1909年間では57.2であつたが,1910〜1940年間は略70.2を上下して一定して居た。1950年頃から100,000当り癌死は再び増勢をしめしている。1954年のそれは85.2となつた。
これらの事実は明かに日本に於いても,欧米各国と同じく,癌死亡が,他の死因に比べて祖対的に増加している事を示めしている。日本に於ける二の相対的増勢は死因統計の上からは,主として腸炎,肺炎,結核病等の著しい頽勢を原因としている。世界各国に共通して,中枢神終系に於ける血管損傷による死は,癌を凌いで第1位にある。
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