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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生20巻3号

1956年09月発行

文献概要

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流行性肝炎の病原と疫学

著者: 兒玉威1

所属機関: 1神奈川県衛生研究所

ページ範囲:P.16 - P.23

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まえおき
 現在本病を名指すものとして流行性肝炎Epidemic hepatitisと伝染性肝炎Infectioushepatitisの両者が通用している。実際本病は集団的或は流行性に発生する場合もあるが,散発性に発生する場合が多いから,後者の名称の方が適しているかもしれない。流行性肝炎は最近,臨床医学の面からだけでなく公衆衛生の面からも非常に注目されるようになつてきた。しかし,本病のように,なお未知の部分の多い感染症を理解するためには,病原・疫学・病理及び臨床を綜合的に観察して行くことが望ましく,病原とか疫学とかをそれぞれ切り離して論ずることは適切を欠くおそれがある。
 本病に関しては多数の文献の外に,既にW.Siede5),北岡正見1),小田俊郎2),中村隆3),斎藤宏4)等の著書があり,1954年までの報告は殆んどこれに網羅されているといつてよい。更に1954年第28回日本伝染病学会総会の交見演説「流行性肝炎について」において原亨(大阪医大),小坂淳夫(岡大),斎藤宏(名市大)3氏の詳細な研究発表があり,また1955年第2回ウイルス学会総会ではシンポジウムとして「流行性肝炎の病原と病理」がとりあげられ,天野重安(京大),村上栄(岡大),奥野良臣(阪大)諸氏の研究発表8)及び討議が行われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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