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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生20巻3号

1956年09月発行

文献概要

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わが国公共水の汚濁とその防止対策

著者: 田辺弘1

所属機関: 1厚生省公衆衛生局水道課

ページ範囲:P.42 - P.55

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まえがき
 水は天然資源のうち最も重要な資源の一つであろう。天然資源に恵まれず,しかも人口過剰なわが国ではこの水資源の適正な保全,利用は極めて重大な意義を持つものといわなければならない。従来清浄を誇つたわが国の公共水は明治期以後の産業経済の急速な発展,都市の急激なぼうちように伴い漸次汚濁されるようになつた。この汚濁は第二次世界大戦の終戦前後期において若干減少したが,終戦後再び増加の一途をたどり,その結果国内各所に汚濁による被害が続出し,飲料水,上水道水源,農業,水産業,水泳,ボーテイング,観光など,さらに工鉱業自体にも重大な支障を来し,きわめて厄介な社会問題を招来るようになつた。
 元来公共水の汚濁を防止し,その清浄を保持することは文化国家の義務でもあり,また権利でもあると考えられている。現に欧米文化国家においては既にその大半は法制化して着々実効を収めている。しかるにわが国ではいまだ総括的に公共水の汚濁を防止するための規制が法律化されていない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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