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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生20巻4号

1956年10月発行

文献概要

綜説

連鎖球菌感染症—細菌学及び免疫学の立場より

著者: 草間秀夫1

所属機関: 1国立予防衛生研究所

ページ範囲:P.1 - P.14

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I.まえおき
 連鎖球菌が様々の人体感染症を起すのは周知のことであり,日常臨床家の遭遇するところではあるけれども,色々な理由で従来我が国では一部の人々を除いてそれ程の関心を持たれていなかつた。然し,近年次第に猩紅熱患者の数が増加しつつあつた矢先,昨年秋から冬にかけて所謂流行性腎炎の全国的流行を見るに至り,急激に一般の関心を呼び起すようになつた。
 ひるがえつて,連鎖球菌の細菌学に関する内外の業績を見ると,最も複雑な部類に属するこの細菌も―これが示す多様な感染症の発現に直ちに結びつけて考えることはまだまだ出来ないにしても―可成りの程度にその免疫学的,生物学的性状が明らかにされて来た。そのうちの或るものは本病の成立機序を考える為の有力な手掛りを提供して居り,一方では,疫学上,臨床上に役立つ幾つかの方法を産み出している。そこでまづ,この細菌自身の諸性状を解説し,次にこれに基いて連鎖球菌感染症の成立ちを実験医学の立場から言及して見度い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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