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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生20巻4号

1956年10月発行

文献概要

原著

血液コリンエステラーゼの野外測定法—簡易測定第二報

著者: 椎木悌二1 大久保達雄1 上田一誠1 高橋浩2

所属機関: 1富士化学工業株式会社 2山口県立医科大学臨床病理学教室

ページ範囲:P.57 - P.60

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 Parathion中毒の診断に血液のCholinesterase(以下ChE)活度減弱の確認が有力な手段であることは周知の事実でありながら,その測定は広く普及しているとは言えない現状である。その大きい原因として測定法(1. 2. 3.)がかなりの装置および技術を要することが禍していると考え,その隘路を打開すべくさきに我々は特殊な装置を必要としない血清ChE測定法としてphenol-red-Comparator法(4)(こをれ第一法とする)を発表した。これは従来の方法に比較すれば確かに実施容易な方法であるが,なおピペツト,試験管,遠心沈澱器,恒温槽等の実験用器具を備えた所でなければ行い難い。
 故に第二法として第一法を簡易化し上記の実験用器具を一切使用することなく,野外のparathion撒布の現場においても容易に実施しうる血清ChE測定法を考案した。この方法の原理は,第一法と同様ChEがAcetylcholineを加水分解して醋酸を遊離しそのために降下した基質のPHをphenol redを指示薬として測定する方法であるが,必要試薬を予め乾燥封入しておいたAmpullにSahliピペツトより採血した血液を水と共にいれ,気温(室温)より計算された時間の経過後その色調をPH標準比色管と比較するという簡単なものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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