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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生20巻5号

1956年11月発行

文献概要

特集 健康教育と公衆衞生教育 総説

民衆を行動にかりたてる動因

著者: 乾孝1

所属機関: 1法政大学

ページ範囲:P.2 - P.8

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 人間というものは奇妙な生物である。生物である限り,どんな下等なものでも,その生命を保つのに,何らかの意味で有効な行動以外はやらないのが普通なのに,人間の行動は,ただ「生きる」という限界をこえたものの方がむしろ大部分を占めているようにさえ思われる。だから,「生命」をもつて脅かしても必ずしもひとつの行動にかり立てうるとは限らない。
 恋愛のために心中するなどというのはその極端な例だ。生物学的にみれば子孫をふやすためにこそ惚れ込んだのであろうに,2人とも自分の生命まで絶つてしまうというのはどうしたことだろう。しかもそれが「流行」しさえするのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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