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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生20巻5号

1956年11月発行

特集 健康教育と公衆衞生教育

総説

地区衛生組織活動について

著者: 宮坂忠夫1

所属機関: 1厚生省

ページ範囲:P.17 - P.22

文献概要

1.古くて新しい地区衛生組織活動
 地区衛生組織活動を,一定の地域の住民がその衛生上の問題を解決するために行う組織的な活動という工合に,文字通り解釈すれば,これは古くて新しい公衆衛生活動のひとつの方式である。
 古いという意味は,かりに明治以後の伝染病予防の歴史を見てみると,明治12年にコレラの流行が東京から始まり,17年には関西へ,19年にはこれが全国的にひろがつて,19年だけで実に15万6千の患者と10万8千の死者を出したが,この頃"衛生会"あるいは"衛生組合"の名のもとに,町をあげてのコレラとの斗いが行われたという記録があるからである。しかもこれらの活動は,何も役所からの命令によつたものではなく,コレラの大流行を民衆自身なんとかしなければならないと立ち上つたのであつて,こういつたモデルがいくつかあつたために,後に役所から達しが出たり,衛生組合条例が作られたり,さらに明治30年になつて伝染病予防法の制定にあたり,衛生組合についての規定が設けられるようになつたからである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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