icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生20巻5号

1956年11月発行

文献概要

特集 健康教育と公衆衞生教育 総説

職場における衞生教育

著者: 戸田弘一1

所属機関: 1日本鋼管川崎製鉄所

ページ範囲:P.41 - P.45

文献購入ページに移動
1.職場に於ける衛生教育は衛生管理の中核である
 衛生管理と云う言葉は労働基準法の施行と共につくられた言葉であり,読者の多くにはなじみのない言葉かと思われるので,簡単に説明を加えておこう。衛生管理とは事業場に働く従業員の健康に障害を与える如き諸々の事項を処理して従業員の健康を確保し,ひいてはその福祉に貢献すると共に,その結果として事業場の経営に好影響を与えるような一連の施策を行うことである。即ち衛生管理には2つの目的がある。一つは労働者の健康を保持し得るような対策をとり,疾病によつて起る不幸を回避出来るように努めることであり,他は企業経営の能率をよくするために労働力保全の意味で労働者の健康を保持するよう施策することである。このように表現すると全く相反した二つの目的があるようであるが,実は同じことを両面から見たに過ぎない。要は従業員の健康保持にあるのである。
 衛生管理者はこの目的のために種々の対策をとつている。作業環境を調査してその改善をはかると共に,差当りの対策として有害な作業場では保護具を支給してこれが使用をすすめている。結核発病を予防するために一連の対策を進めている。伝染病の集団発生を予防するために清掃清潔対策や予防接種等の対策を計画している。重大な結果を招く如き慢性進行性疾病の早期発見のために定期に健康診断を実施している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら