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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生21巻1号

1957年01月発行

文献概要

綜説

最近のウイルスの話題—タバコモザイク・ウイルスの再構成

著者: 松本稔1

所属機関: 1東京大学伝染病研究所

ページ範囲:P.22 - P.29

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 ウイルス学の多くの最近の話題の中から,タバコモザイク・ウイルスの再構成の問題をとりあげてのべてみたい。これはウイルスの本質的なものにふれていると思われるからである。
 ウイルスの中でその粒子の化学組成や構造のもつともよく研究されているのはタバコモザイク・ウイルス(TMV)である。よくしられているように,このウイルス粒子は直径15mμ,長さ300mμの棒状のもので,蛋白質とリボ核酸(RNA)とからなつている。このような粒子がひとたび感受性細胞にであうと,細胞内に侵入し,増殖し,もとと同様の多数のウイルス粒子ができてくるわけである。ウイルス粒子の発揮するこのような機能と,ウイルス粒子の構造との関係は,ウイルスの本質をつく大問題である。StanleyがTMVの精製結晶化に成功し,ウイルスの研究に新しい道をひらいて以来,この問題は,Stanleyをもふくめて,多くの研究者の興味の中心であつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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