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綜説
腐敗
著者: 宮木高明1
所属機関: 1千葉大学
ページ範囲:P.14 - P.23
文献購入ページに移動腐敗と名づける現象は微生物の侵襲と繁殖とによつて,有用な資材が変質することである。それ故に経済上の損失を招くのも当然の帰結である。
腐敗のなかで,最も生活的な関心を抱かれているのは食品の場合だが,その理由は他の資材に較べれば,まず短時間で腐敗し,官能的な―ことに嗅覚や味覚のように,かなり鑑別性があつて,誰でも用いうる―方法で変質の起つていることを生理的に訴えさせるためと考えられる。この変質が生理的に反撥されるものであることはたしかであるが,どのような毒性をもたらすものかについては意外にも科学的な検討が鋭く加えられていなかつたのである。
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