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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生21巻11号

1957年11月発行

文献概要

原著

九州,北海道等の炭鉱從業員寄生虫相の比較研究—第1報.長距離輸送材料による塗沫,浮游培養検便の併用法について/九州,北海道等の炭鉱從業員寄生虫相の比較研究—第2報.地域別の寄生虫相の差異について

著者: 佐々学1 林滋生1 田中寛1 佐藤孝慈1 三浦昭子1 若杉幹太郎1 白坂龍曠1 高田敦徳1 徳力久二郎1 仲村英一1 永野柾巨1

所属機関: 1東京大学伝染病研究所寄生虫研究部

ページ範囲:P.19 - P.27

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 炭鉱労務者は日本はもとより,欧米各国においても寄生虫,とくに鉤虫類の寄生が著しいことで注目されているが,我々は三菱鉱業健康保険組員約3万人の寄生虫検診の依頼をうけたので,この調査研究を開始した。その結果,各地における寄生虫相の特徴を新につかみえたのみならず,塗沫,浮游,培養の3法を併用することにより単独法に比して糞便内の諸種寄生虫がはるかに高率に検出され,今後このような集団検診にあたつて医師,衛生技術者の方々に広く採用されるべきであると感じたので,ここにまず我々の行つた術式を紹介し,批判を仰ぎたいと考えた。
 三菱鉱業株式会社の炭鉱及び事務所は北海道(美唄,大夕張,芦別,茶志内など),東北(山形県油戸),北九州(飯塚,鯰田,上山田,新入,勝田,古賀山,方城など),九州の離島(崎戸,高島,端島),大都市(東京,札幌,福岡など)など我国の代表的な地域に分散し,これらの従業員が大部分一地区に定住して異つた自然環境のもとに生活し,しかも殆んど同一規準の給与のもとに同似の作業に従事しているので,日本における寄生虫相の地理的,環境的な差異を比較するには絶好の研究材料であると考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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