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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生21巻2号

1957年02月発行

文献概要

特集 公衆衞生とノイローゼ 綜説

性に関するノイローゼ

著者: 西丸四方1

所属機関: 1信州大学医学部精神科

ページ範囲:P.27 - P.30

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 ノイローゼの中で性に関係するものが特に多い様な感じを誰しも起すものであり,又ノイローゼは本来性的なものであるとさえ考えられるのが普通であるが,その理由として,人間の精神生活の中で,殊に欲望不満や葛藤や心配を起し易いのが性的領域であることもあるけれども,それより大きな役割をしているのが,フロイトの精神分析の見方による影響であろう。精神分析によれば,ノイローゼは根本的には性的欲望の抑圧から起るのであり,変態性欲は神経症と同列のものであるとするのである。フロイトは実をいうと変態性欲の存在から逆にその神経症理論を立てたのであつて,変態性欲と神経症と同列のものであるというのは一つの仮定である。しかしいかにもその様にみえるものもある。いかにもそう見えるというのはどういうことかというと,神経症では今,ある精神的身体的症状が,以前の精神的経験からいかにも由来したように見える時に,神経症というということなのである。われわれは神経症の診断をつける時に,いかにも神経症らしい症状―といつてもひどくまちまちなものであるが,何となくそういうものがあると思つているのであり,変態性欲や性的障害の諸状態もそれである―をもとにしてつけるのであるが,それと同時に,これはいかなる以前の精神的経験から由来しているかを問題にして,その様な精神的経験を探すのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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