文献詳細
特集 欧米の公衆衛生事情
文献概要
I.その歴史
英国の公衆衛生制度の特徴は,いわゆる予防衛生と,患者の医療とが,極めて密接に結びつけられ,さらにこれが,社会福祉,児童福祉,社会保険の制度と合されて,彼等のいわゆる「福祉国家」の根幹を作つていることである。
このように広く解釈された系統的な公衆衛生制度は,第2次世界大戦後に一応の完成を見たのであるが,疾病の予防や治療を単なる個人あるいは個々の家族の責任にのみまかせず,中央政府あるいは地方自治体がある程度これに関与する必要を認め,これが何らかの形で制度化され初めたのは,今から凡そ100年余り以前のことである。
英国の公衆衛生制度の特徴は,いわゆる予防衛生と,患者の医療とが,極めて密接に結びつけられ,さらにこれが,社会福祉,児童福祉,社会保険の制度と合されて,彼等のいわゆる「福祉国家」の根幹を作つていることである。
このように広く解釈された系統的な公衆衛生制度は,第2次世界大戦後に一応の完成を見たのであるが,疾病の予防や治療を単なる個人あるいは個々の家族の責任にのみまかせず,中央政府あるいは地方自治体がある程度これに関与する必要を認め,これが何らかの形で制度化され初めたのは,今から凡そ100年余り以前のことである。
掲載誌情報