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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生21巻7号

1957年07月発行

文献概要

特集 明日の公衆衛生 今後に期待するもの

老人病対策

著者: 松岡脩吉1

所属機関: 1東京大学

ページ範囲:P.10 - P.17

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1.問題としての老人病
 老人病対策といえば,まず老人病とは何か,そしてその対策は,といつた順序になるであろうが,さて老人病とは何か,ことに,公衆衛生の問題として注目されるようになつたものとしての老人病とは何を指すかとなると,充分に明確でないともいえる。
 男子における前立腺肥大症が老人病であることには,誰も異存はないであろう。1955年のわが国の死亡統計3)で見ても,40才以上で始めて現われ,高年令になるほどいよいよその死亡率は高まつている。明白な老人病としての前立腺肥大症による死亡の年令的傾向をもつて定型的とするならば,このような定型的な傾向を示す疾病は他にもないことはないにしても,それによる死亡の絶対数は極めて少ないのである。1955年におけるわが国男子総死亡数365,246中前立腺肥大症によるものは311例に過ぎない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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