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特集 明日の公衆衛生 今後に期待するもの
衛生教育
著者: 宮坂忠夫1
所属機関: 1国立公衆衛生院衛生行政学部
ページ範囲:P.23 - P.26
文献購入ページに移動"衛生教育とは何か"ということについてはたびたび論議され,雑誌などにも発表されたりしているが,現在でも,人によつて考えが違うらしい。しかし,衛生教育なることばを一番広く解釈すれば,ある活動が衛生教育と呼ばれていようがいまいが,要するに衛生教育的な効果をあげ得るものであれば,衛生教育として考えられている。この意味では,例えば保健婦の家庭訪問も衛生教育である。食品衛生や環境衛生の監視もそうである。だからといつて,なにも家庭訪問や監視を衛生教育の仕事にせよなどというのでは決してない。ただ衛生教育の目からみると,たいていの公衆衛生活動が,このような意味で,衛生教育として見られ,衛生教育の効果がなかつたらたいして価値がないと考えられるだけである。
衛生教育が公衆衛生の基礎だ,というのは,国民に充分な衛生知識がなければだめだというのではなくて,上述のような意味ではなかろうか。"公衆衛生従事者はすべて衛生教育者でなければならない"というのも,ほぼ似たようなことである。具体的には,日常衛生教育と呼ばれていない業務も,その結果衛生教育上どんな影響があるかを考えて実施せよ,ということと,座談会などで衛生教育のための話などを進んでしなさい,ということ,この二つの意味があるわけだ。
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