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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生22巻1号

1958年01月発行

文献概要

原著

鉤虫の冬期集団驅虫による感染予防の効果に就て

著者: 松林久吉1 阿部道夫1 斉藤昭三1 伊従茂1 嶺崎巌2 川辺文夫2

所属機関: 1慶応義塾大学医学部寄生虫学教室 2東京都奥多摩町役場及国保直営診療所

ページ範囲:P.45 - P.49

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 鉤虫の卵及び仔虫が寒冷に対して抵抗力が弱く畑地上ではそれらが冬期に殆んど死滅してしまうものであることは既に松崎(1931)が指摘した所である。即ち同氏によればアンキロストーマ種もネカトール種も,畑地上に見出されるのは5月より12月に至る期間内だけであり,しかも11,12月の両月には極めて少数であると云う。このことから鉤虫集団駆虫は冬期に行うことが,その後の感染を予防する上に特に有効である可きことが想像されていたわけである。松崎も常々このことを筆者に語つてはいたが,特にこの問題についての報告をなしたのは昭和26年に至つてである。その前年北山は内科学会の特別講演で,冬期駆虫の重要性を強調してはいるが,自らの実験は行つていない。
 鉤虫の集団駆虫に関する報告は多数にあるが,特に冬期の駆虫を主眼とした研究報告は小宮等のものだけである。松崎もまたこの点に主力をおいて研究を行つているが,その詳細な報告に接しない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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