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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生22巻1号

1958年01月発行

文献概要

原著

腐敗アミンと食中毒との関連に関する一考察

著者: 岩本多喜男1 飯田広夫1 安藤芳明1

所属機関: 1北海道立衛生研究所

ページ範囲:P.59 - P.61

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 腐敗アミンと食中毒との関連については,古くから種々論議されているが未だ不詳な点が多い。古くはプトマインとよばれたある種の中毒性物質の存在も現在では一応否定されているが,近年我国では腐敗アミンについての研究が進み,中でもヒスタミンを中心とする食中毒については,宮木1),河端2)らによつて漸次解明されつつあり,又三沢3)らは仮性アレルゲンとしてTrimethylamine,Choline,Neurineなどをあげ,小笠原4)は赤痢菌による疫痢の発症の外因として各種のアミンをとりあげている。
 又昭和30年の夏期に全国的に多発した「いか中毒」の原因については,各方面で検討していたが,玉利,岡田,柳沢5)らは構造未知の有毒性アミンを抽出してこれを原因物質と推定している。この様に一部は解明されたものもあるが,大部分は未知であり,たとえ検体中から中毒性アミンが検出されても,その量が極めて微量であつたり,検体そのものの摂取された食品との異同が疑問視されたりして,容易にその原因がつかめないのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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