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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生22巻10号

1958年10月発行

文献概要

文献

イスラエルにおける動脈硬化症の疫学

著者: 小泉

所属機関:

ページ範囲:P.538 - P.538

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 イスラエルで,出身地別・移住の新旧別に動脈硬化症による死亡を調べたところ,脳の動脈硬化症(W. H. O. 国際分類No.330〜334)と心臓の動脈硬化症(同No.420/1〜420/1)との間に興味ある差異がみられた。すなわち西欧出身者は東洋出身者より動脈硬化性心疾患による死亡率が高く,これは45〜64才,65才以上のいずれの群についても同様である。しかし脳の血管についてはこういう現象はみられていない。性別には,どの年令群でもいずれの出身地でも男子の方が女子よりも動脈硬化性心疾患の死亡率が高い。脳の方では性別に一定の傾向がない。新らしい移住者(1948年以後)と古い移住者(1948年以前)とでは,心疾患では同様,脳では新らしい人にやや多い傾向がみられる。これらの事実は動脈硬化症の所在とそれに関連する疫学的な問題において,脳と心臓の動脈硬化症が本質的に異つた現象ではなかろうかと思わせる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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