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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生22巻12号

1958年12月発行

文献概要

特集 地区組織活動・2

"パキスタンの地域社会開発事業—特に農村開発事業(Village AID Piog amme)について

著者: 橋本道夫1

所属機関: 1厚生省公衆衛生局保健所課

ページ範囲:P.642 - P.646

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地域社会開発事業の歴史的背景
 1947年インドとパキスタンの分離はこの新しい国の独立の始まりである。700万という多数の民族移動が数々の流血の事件と暴動の中に両国の間に行われた。
 宗教の違いというものはかくも深い対立を招くものであるとはおよそ日本人の私達にとつて想像も出来ないものであつた。その結果西と東に数千粁をへだてて7,600万の国民をもつ回教国パキスタンが生れたのだ。独立の後に来たものは極度の貧困(1人当年間所得は日本の約1/3)と,疫病と8割をこえる文盲と又家を失つた難民の問題であつた。この中から独立国家としての新しい国造り(イスラム社会主義と彼等は言つているが)を目指している。彼等の言葉を貸りるならば"人民のための,人民の手による綜合開発事業……最も力強い最も金のかからない恒久的なしかも地味な開発方法"が今ここに説明しようとする"Community Development(地域社会開発事業)である。これによつても現在日本で叫ばれている地区組織活動と全く異なつた背景のもとにこの事業が開始されたことが理解できよう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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