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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生22巻2号

1958年02月発行

文献概要

綜説

ポリオの病原体とワクチン

著者: 竹森信之1

所属機関: 1国立予防衛生研究所

ページ範囲:P.70 - P.75

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 急性灰白髄炎(Poliomyelitis)または小児麻痺(infantile paralysis)は18世紀の後半頃から明らかに認められていたが,最初の系統的記載は1840年にHeine(1891)によつてなされた。その後Medinは始めて1887年にストツクホルムに起つた流行(患者44名)について報告した。Wickmanは1905年のスエーデンの流行を調査してポリオが人から人へ伝染することを証明した。1909年Landsteiner & Popper1)はポリオ死亡例の脊髄乳剤を猿に接種し発症せしめることに成功した。このように適当の実験動物の発見によつてポリオの病原体がウイルスであることが証明された。それ以後ポリオの研究には猿が用いられていたが,1939年にArmstrong2)はLANSING型ポリオウイルス株を脳内接種でコツトンラツト(cotton rat)とマウスにつけることに成功した。しかしポリオウイルスには血清学的に明らかに異る三型3)があつて,脳内接種で三型とも猿を発症せしめるがコツトンラツトとマウスにかかるのは二型(Lansing型)のみであり,従つて実験はなかなか不便であつて研究の進歩がおくれていた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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