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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生22巻2号

1958年02月発行

文献概要

綜説

航空医学の現状と將来

著者: 大島正光1

所属機関: 1臨時航空医学実験隊 防衛庁技術研究所

ページ範囲:P.99 - P.104

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 Wright兄弟が始めて航空機を飛ばすことに成功したのが1903年であつて,それから現在までにわずか50数年を経過しているに過ぎない。時代はこの記念すべき時からプロペラ機,ジエツト機,ロケツト機と経過して人工衛星(Earth Satellite,artificial Satellite)が生物を乗せて我々の頭上を飛ぶ時代となつた。わずか50数年の進歩を考えたならば正におどろきの目を見はらざるを得ないであろう。処が航空医学の歴史はさらに先にさかのぼる。1783年6月5日にフランスのAnnonayがMontgolfiére気球を始めて飛ばし,ついで同年9月19日に羊,にわとり,鴨などを気球にのせて飛ばしたのが,航空医学の研究の誕生日とされている。その後1875年Crocé-Spinelli,Sivel,Tissandierが8,790mまで気球で上昇して,Tissandierのみが生き残つた事件は,航空医学の研究の大きな刺激を全欧州に与えたといわれている。航空医学の研究の足跡は,技術の進歩の道程によつて大体の過程を知ることが出来る。その意味から航空機の記録の年代変化をうかがつて見よう。航空機の記録の中でも重要なものは,高度の記録と速度の記録とであろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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