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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生22巻5号

1958年05月発行

文献概要

文献

食品に用いる抗生物質,他

著者: 西川

所属機関:

ページ範囲:P.238 - P.238

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 食品に添加する化学物質の取締りの問題は非常に重要で,ただ一国のみで制限することは無意味に近く,国際的規約が必要となつてきた。抗生物質が食品に添加使用されることは甚だしく普及してしまつた。その使用は主に腐敗防止である。従つて普通の食品貯蔵法で貯えておくのでは変質せず,また食品の風味をかえないことが第1条件である。次ぎは食品中に混つた抗生物質が崩壊その他によつて変化しないこと。第3には広範な抗菌スペクトラムをもつ。第4には一般的取扱いでは毒性をもたないこと。第5には食品中でも充分抗菌力を発揮できるほどの濃度が保たれ,またよく全体に混入していて偏在しない。第6には癌原性がないこと。第7には例外的にアレルギーになり易い体質に対してもアレルギー作用をもたないことが大切である。かかる条件にかなつた使用法を適用するのは極めて困難なことであるが,しかし極めて重要であることは論をまたない。
 さらに抗生物質が問題となるのは,食肉,牛乳及び加工酪製品中に抗生物質をまぜたり,あるいは飼育牛に抗生物質を使つている場合である。食肉,加工酪製品に抗生物質を使つている場合には,それに添加された抗生物質が摂取者の体内に入つてから抗生物質過敏症をおこすことである。牛乳にまざつている場合,及び乳牛に抗生物質が投与されているような場合には,当該抗生物質に対して耐性となつたブドウ球菌力がつくられていることである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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