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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生22巻5号

1958年05月発行

文献概要

特集 健康の疫学 「健康の疫学」に寄せて

「健康の疫学」について,他

著者: 橋本正已1

所属機関: 1国立公衆衛生院衛生行政学部

ページ範囲:P.265 - P.265

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 健康の疫学の中心概念である「健康」について感ずることは,従来の健康観がいわば後むきの健康,つまり現在を起点として過去にわたつて健康であつた,という事に重きをおいているということです。この点は,いわゆる健康優良児の選考基準などにも現われているのではないでしようか。
 これに対して今後の公衆衛生にとつては,前むきの健康ということが大切だと思います。すなわち,現在を起点として,将来にわたつて確かに健康であることが保障されているような状態です。例えば,赤痢というような疾病を考えてみても,上下水道の完備した環境に生活している人と,その施設のない不潔な環境におかれている人とではたとえ現在赤痢に罹患していないという点では同じであつても,その健康の確からしさには大きな隔りがあると思われます。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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