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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生22巻6号

1958年06月発行

原著

宮入貝(日本住血吸虫中間宿主)の生物学的研究—Ⅲ.自然界に於ける宮入貝の生態観察

著者: 菊池滋1

所属機関: 1横浜医科大学寄生虫病学教室

ページ範囲:P.329 - P.335

文献概要

緒論
 日本住血吸虫の中間宿主である宮入貝の日本に於ける棲息地域は一定の範囲に限局されているがこれは宮入貝の生活環境に対し種々複雑な要因があり,簡単にきめるわけにはゆかないが,とりわけ地形,地相,土壌,気象との関係が大いに影響を及ぼすものであることをさきに報告した。然しながらこの外の要因としての貝の習性もこれと大きな関聯を有しているので棲息地に於ける宮入貝の自然の状態,即ち貝の生態を深く見きわめることが最も大切である。貝の生態に関しては宮入,鈴木(1913),小林(1916)1),Cort(1919)2),杉浦(1931)4),Mao(1948)12),岡部(1938)4),Ingalls(1949)13),Hsü(1950)14),Hunter(1950)21),McMullen(1951)15),Izumi(1951)16)川本(1954)20),岡本(1954)19),津田(1952)18)等の報告があるが,いずれも自然界に於ての詳細な観察記載は少ない。著者は山梨県に於て自然界の宮入貝の生態を長年観察し,更に環境の変化についても観察したのでここに取りまとめて報告し,従来の諸業績に対する知識の増補をなさんとするものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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