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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生22巻7号

1958年07月発行

文献概要

特集 耐性問題と公衆衛生

公衆衛生学的に見た耐性問題の重要性

著者: 牛場大蔵1 小沢敦1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部細菌学教室

ページ範囲:P.346 - P.350

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はじめに
 DomagkによるSulfa剤の発見以来,新たな治療理念にもとづいた化学療法剤が,つぎつぎと考案されて,細菌感染症にたいする劃期的な治療法がもたらされ,更にPenicillinを始めとして,相ついで発見された抗生物質の治療界への登場は,実に二十世紀前半の医学における最もはなばなしい凱歌であつた。
 其等個々の薬剤が治療界へ登場するたびに,精細な細菌学的な研究によつて抗菌スペクトルムは確定され,厳格な薬理学的研究によつて,その使用法並に使用量等が検討され,副作用の防止,細菌の耐性獲得の予防等万全の対策が講ぜられて来ている。然るに斯かる最新の化学療法の臨床経験がかさなるにつれて,いろいろの新事実が注目されるようになつた。たとえば抗生物質使用中に認められる菌及び真菌の交代現象或は菌の耐性発現等の如きものはその著しい例である。斯くして化学療法剤にたいする耐性菌出現という現象は,臨床治療面及び疫学的にも重要な問題として注目をあびる様になつたのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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