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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生22巻7号

1958年07月発行

文献概要

特集 耐性問題と公衆衛生

耐性の理論

著者: 小酒井望1

所属機関: 1国立東京第一病院検査科

ページ範囲:P.357 - P.362

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 広く流行している或る細菌感染症に,或る種の化学療法剤が広く使用されると,菌はその化学療法剤に対し漸次耐性を獲得し,耐性菌による症例が次第に増加する。数年にして赤痢菌の大半がサルフア剤耐性となり,ついでChloramphenicol(CM),Tetracycline(TC)系薬剤の濫用により,最近CM,TC剤耐性赤痢菌が増加の徴を示していること,或はPenicillin(PC)耐性或はTC剤耐性ブドウ球菌感染症の増加していることは,その好適な例である。
 一方或る細菌感染症では,或る化学療法剤が広く用いられており,その感染症が広く流行しているに拘らず殆んど耐性菌の見られない例もある。淋菌,溶連菌の殆んどすべてが,まだPC感受性であるのはこの例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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