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特集 国民健康保険と公衆衞生
国保と保健所
著者: 朝倉新太郎1
所属機関: 1大阪大学医学部公衆衛生学教室
ページ範囲:P.492 - P.495
文献購入ページに移動社会保険の有無が,結核死亡や乳児死亡の増減に大きく作用し,又逆に,行き届いだ結核管理や乳幼児検診が,それらの疾病の発生を予防し,死亡率を低減するのに役立つのみでなく,ひいては保険経済にプラスするという諸家の報告1〜4)を引用するまでもなく,社会保障と公衆衛生活動は,両々相俟つて,疾病の予防と治療に対し,あたかも強力な緩衝液のような働きをもつている。このBuffering Actionが強ければ強い程,不時の災害や疾病の発生に対し,社会は動揺することが少ないし,最少限の応急策でもつてそれをよく防遏することが出来るのである。
この意味で,歴代の政府が公約としている国民皆保険の構想は甚だもつて望ましいことであるし,それによつて,これ迄何かしらノレンに腕押しの感がないでもなかつた我国の公衆衛生も強固な支柱が与えられるというものである。
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