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特集 高血圧の疫学 隨想
高血圧研究と疫学
著者: 美甘義夫1
所属機関: 1三楽病院
ページ範囲:P.122 - P.122
文献購入ページに移動しかるに臨牀の面から本態性高血圧症を見ると,特に第二次大戦後陸続と発表された降圧剤により,高血圧のコントロールが有効に安全に行われるようになり,しかも薬物による高血圧の長期調整は単なる対症療法に止まらないことが立証されつつある。即ち本態性高血圧症患者が早晩逢着しなければならない,脳・心・腎の合併症を高血圧の長期コントロールにより軽減し,それによる死亡をも減少して生存率を増加することが示されつつある。この結果は実際的に意義は大きいが,高血圧の発生を逆にこれから結論づけることはできない。
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