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特集 高血圧の疫学
檢査方法とそのもつ価値
著者: 松岡脩吉1
所属機関: 1東大公衆衛生学教室
ページ範囲:P.123 - P.127
文献購入ページに移動検査方法の価値ということになると,それは検査の目的がどこにあるかという点にかかつており,この目的達成における検査結果の重さの位置づけによつてきまつてくる。いわゆる高血圧の集団検診の目標は,高血圧を症状とするような疾患をもつ患者の発見であるが,集団における有病状態を明らかにする以上に,個人における疾患の質的な差や重篤度に応ずる指示区分に割りあてることであり,そして患者の継続管理によつて要はその人のこれからの作業量を最大限に発揮させることに尽きる。
したがつて,検査項目への要請としては,現症の理解,予後の判定,措置への指針,措置効果の評価といつたことに役立つことであり,そのためにできるだけ少ない労力と費用とで実現可能なものであることも要求される。高血圧の集団検診においては,単に高血圧者を選び出すことでなく,高血圧性患者を選び出すことでなければならず1),高血圧性患者ではしばしば硬化性疾患を合併してもち,逆に硬化性患者では高血圧をその症状としてもつことが多いとはいいながら必ずしもそうでないことも明らかである以上,血圧以外の検査項目も同時に採用して,いわゆる多相ふるいわけを行わなければならない。
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