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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生23巻2号

1959年02月発行

文献概要

特集 高血圧の疫学

心電図と血圧の関係

著者: 北田茂1 下瀬陽一1 中村芳郎1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部内科

ページ範囲:P.132 - P.135

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I.緒言
 臨床的に血圧は低血圧,正常血圧,高血圧の3者に分類される。そして低血圧,高血圧は何れも病的と一応目されるが,その成因はそれぞれ一様ではない。従つて,それら異常血圧の場合の心機能も,各原病によつて著しく相異する。しかしながら,本論文の目的は高血圧症の大部分を占めている本態性高血圧並びに動脈硬化症性高血圧と心電図との関係につき述べる事にあると思われるので,詳細は割愛する。
 高血圧症に直結する死因として,従来,脳疾患,心疾患,腎疾患が注目せられている。欧米ではこれら3者の中,心疾患死が一番多いとするものが多いに反し,わが国では上田1)を始めとして,従来の報告は生前高血圧と臨床診断された症例の剖検の際,圧倒的に脳疾患死が多かつたが,近年,堂野前2),冲中3)両氏の報告にみる如く,心疾患死が脳疾患死を上回る傾向がみられて来た。従つて高血圧者の心機能に対しては生前から注意を払う必要があり,これによつて心機能不全を早期に発見し,又,これが対策をたてる事により,生命の延長が期待出来る。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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